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2014年の観劇

1月5日 坂東玉三郎 初春 特別舞踊公演 (於:松竹座 

紅白の餅花でお正月の装で華やぐ松竹座
8人程の若い男性のグループの和服姿が
人目を引いていました。
 今年最初の観劇は」「坂東玉三郎さんと中村七之助さん」の舞踊公演です。
玉三郎さんが大阪でのお正月公演はとても珍しい事ですし、生協でチケットを購入出来るのも滅多にないことです。何時ものように半額と言う訳には行きませんが、18000円が15000円に・・・
座席は1階の後方でしたが、舞踊劇ですので出演者も多くはなく、良く見えました。
14時開演、途中3回の幕間(まくあい)休憩が有ましたが17:10には終演しました。
 【村松風二人汐汲  むらのまつかぜににんしおくみ】
平安時代の歌人 在原行平が須磨に蟄居(ちっきょ)を命じられた時、汐汲をする村の姉妹、松風・村雨の二人を見染め寵愛しました。
日を経て、都へ帰る事を許されたとき、行平は姉妹に形見の品、烏帽子と狩り衣(えぼし・かりごろも)を松の枝に掛けて都へと帰った。
二人の姉妹はその品を行平と想いその面影を偲んでは踊り続けるのでした。
ゆ~~ったりとした玉三郎さんの踊りに対してしなやかな体で一生懸命踊る七之助君。拍手をしすぎて掌が真っ赤になりました。
【操り三番叟 あやつりさんばそう】 
先ず翁(市川月乃助)と千歳(市川笑三郎)がお目出度く、国土安穏と五穀豊穣(こくどあんのん・ごこくほうじょう)を願って厳かに静々と踊ります。
二人が下がって舞台に登場したのは、後見人(こうけんにん=坂東薪車)。傍の人形箱から三番叟の人形(市川猿弥)を取り出す。
操り人形と人形遣い・・・足を踏むテンポ、上手く操って飛び上がる人形。
素晴らしいコンビネーション、息のあったお二人の滑稽味のある踊りでした。 
 【二人藤娘 ににんふじむすめ】 
本来は一人踊りの艶やかな舞台。
艶やかな玉三郎さんと美しい七之助君・・二人の藤の精。
美しい衣装替えのある(糸の抜き取りで衣装が変わって行く))この踊りは日舞を習った人には憧れの演題です。(が男踊りの、私は教えてもらえませんでした。)
藤の精は可愛い娘になって踊ったり、移り気な男性の心を嘆く女性を踊ったり・・お酒に酔って松の木に絡んで見たり。
ほろ酔い気分で夕暮れにねぐらへ帰る雁を見て名残を惜しみながら舞台から去っていきます。
【於染久松色読販 おそめひさまつうきなのよみうり】 
土手のお六=玉三郎、丁稚 久松・油屋娘 お染・許嫁お光=七之助七之助の早変わりが見所。
油屋の娘お染は店の丁稚の久松と恋仲になり彼の子を身ごもっています。
許嫁のお光は二人の仲を知って乱心し、拐われたお染を追った久松の後を追って墨田川の辺をさまよう。
お染に追いついた久松は前途を悩んで二人で墨田川へ身を投げようとした所大姉御、お六さんに助けられる。籠に乗ったお染と傍を歩く久松との早変わりむしろで昆布巻きにされたお染・傘をさした久松との早変わり等、沢山の見せ場がありました。 
【見終って
女形の第一人者の玉三郎さんの艶やかな大きな踊りがしっとりと心に訴えかけます。
二人藤娘、本来は一人踊りの舞踊ですが今回は玉三郎さんの企画・指導で七之助君が一緒に舞台に立たせて貰っていました。当人も”どこまでも”必死に食らいついて学びたかった。同じ舞台に立たせて頂いた光栄をこれからの役者としての大きな糧にしたい・・・と緊張の面持ちで答えていたと聞きました。
若い女形を育てることをご自分の使命と考えておられる玉三郎さんのお眼鏡に適うように精一杯努力して踊り上げた舞台だったと感じました。
感激の涙が止まりませんでした。”父からも、女形の事は第一人者の玉三郎のおじさんに、必死な気持ちでご指導を受けろ”と言われていたとインタビューに答えていた・・・と聞きました。「憧れの、そして女形のさまざまなことを教えていただいている玉三郎のおじさまとみっちり二人で踊らせていただくのは畏れ多いというか、怖いという感じです」と真摯(しんし)に受け止めつつ、「玉三郎さんとは背格好が似ていますので、こういう機会に踊りのことも学ばせていただければと思っています」
最後の幕が降りたあとに挨拶に出られた御一同様、”昨年暮れより風邪を引きまして、なんとか1月2日、初日の幕は開けられましたが、声が出ず役者としてお恥ずかいい限りですが今もマイクを使って皆様にご挨拶をさせて頂いています。この後の挨拶は七之助さんにお願いします・・・・と玉三郎さん。促されて七之助君は確りと堂々と挨拶されました。立派な姿に又ウルウルしました。
今年最初の観劇、素晴らしい作品に出会えました。
【追】画像は番付・NET・録画したビデオの画像から頂きました。